毎年、年末になると入院する人がいました
― 繰り返す不調に、私たちができること
また今年も入院になってしまった
毎年、年末になると調子を崩し、入院してしまう利用者さんがいました。
毎年のように、年越しを病院で過ごすこともありました。
私たちも再入院を防ごうとしましたが、なかなかうまくいきませんでした。
実は、同じようなことはほかの方にもありました。
真夏になると調子を崩す人。
クリスマスや年末が近づくと不安定になる人。
大きな選挙の前に調子を崩す人。
また、農作業の就労支援事業所を利用されている方の中には、農繁期が終わった頃に体調を崩す人もいました。
忙しい時期を乗り越えた後に、疲れが出たのでしょうか。はっきりした原因は分かりませんが、仕事の忙しさや生活リズムの変化も、体調を考えるうえで大切な手がかりになると思います。
女性の場合は、月経周期に伴って気分や体調に波が生じることもあります。月経前の不調や、もともとの精神疾患の症状が月経前に強くなる場合もあります。
もちろん、季節や行事、農繁期、月経周期が直接の原因だと決めつけることはできません。
ただ、振り返ってみると、その人なりの調子を崩しやすい時期やパターンがあることに気づきます。
「いつものこと」で終わらせない
私たちは、つい目の前の状態に対応することに追われます。
眠れていない。食事が取れていない。いつもと様子が違う。
そうした変化が現れてから、支援を強めることも少なくありません。
しかし、毎年同じような時期に不調を繰り返すのであれば、少し早く動けるのではないでしょうか。
そこで私たちは、調子を崩しやすい時期が近づくと、普段より早めに生活面の支援を強めるようにしました。
特に気をつけたのが、服薬の状況です。
服薬の確認は、監視になっていないか
服薬が途切れているかもしれない。
そんな兆候があれば、早めに訪問看護師へ情報を伝えました。
本人と相談し、看護職員と一緒に薬をセットしたり、訪問看護師から服薬の意義を説明してもらったりすることもありました。
ただし、ここで気をつけたことがあります。
それは、本人に「監視されている」と感じさせないことです。
支援者にとっては、再発や再入院を防ぐための確認かもしれません。
しかし、本人にとっては、自分の生活に干渉されていると感じる可能性もあります。
だからこそ、何のために確認するのか、どのような方法ならよいのかを本人と相談し、合意を得ながら進めることを大切にしました。
支援しすぎないことと、放っておくことは違う
こうした取り組みを通じて、落ち着いて年末を過ごせた利用者さんもいました。
もちろん、すべての人の再入院を防げたわけではありません。
それでも、私たちにとって大切な経験でした。
普段は、本人ができることを奪わないようにする。
一方で、不調が予想される時期には、必要な支援を早めに考える。
これは矛盾することではないと思います。
支援しすぎないとは、いつも同じ距離を保つことではありません。
本人の状態や希望に応じて、関わり方を変えていくことも必要なのだと思います。
今年の年末は、どう過ごしたいですか?
年末が近づいてきました。
これまでの経過を振り返り、調子を崩しやすい時期がある人には、少し早めに声をかけてみたいと思います。
大切なのは、入院を防ぐことだけを支援者の目標にしないことです。
本人は、どのような年末を過ごしたいのでしょうか。
その希望を聞きながら、今からできることを一緒に考えていきたいと思います。
不調が起きてから対応するだけでなく、その人の暮らしのリズムを知ること。それも、再発を防ぐための大切な生活支援だと思います。
